【商業・法人登記Q10】合同会社のデメリットを教えてください
合同会社のデメリットを教えてください
合同会社のデメリットとしては、次のようなことが
あげられます。
① 株式会社と比べて知名度が低いこと
合同会社は平成18年に施行された会社法によって
創設された比較的新しい会社の類型であり、
まだ社会一般に浸透していないため、社会的信用度が
株式会社に比べて劣る場合があります。
銀行や他企業と取引する場合に、会社としての信用力
が株式会社よりは低いと評価される可能性が考えられます。
② 代表者は登記簿上「代表社員」と表示されること
株式会社では代表者を「代表取締役」といいます。
これが社会に浸透しているため、合同会社の「代表社員」
はわかりにくいようです。
しかし、定款で「代表社員を社長とする。」と定める
ことも可能ですので、社長という呼び名で呼ぶことに
差し支えはありません。
③ 会社の業務執行や利益配当の方法などについて
社員間でもめごとが起こった場合、意思決定に支障が
出て、会社運営に影響する可能性があること
合同会社は社員同士の人的信頼関係に基づく会社形態です。
社員同士の信頼関係が崩れると運営しづらくなること
も考えられるので、社員が2人以上いる場合には注意が必要です。
合同会社は出資金額にかかわらず、社員の頭数で決を採ります。
もめごとが起こると業務執行の決が採れなくなる
可能性などが考えられます。
④ 社員の退社について困難な場合があること
合同会社では、社員は法律に決められた事由や
定款に定めておいた事由の発生により退社します
(会社法606条607条)。
自主的に退社しない場合、株式会社の解任手続きにあたる
手段がありません。
社員が義務を果たさないときや不正行為をしたなどの特別の事情が
あるときには、除名という退社方法があります。
この場合、合同会社は地方裁判所に除名の訴えを
もって請求する必要があります(会社法859条)。