【相続/Q13】遺留分は民法改正によりどのように変わるのですか?
遺留分は民法改正によりどのように変わるのですか?
2019年7月1日施行により遺留分請求は、侵害額相当の金銭を請求するようになります。
遺留分を侵害された相続人は、遺贈を受けた人や被相続人の生前に贈与を
受けた人など一定の財産を得た人に対し、自分の遺留分に相当する額の金銭の支払いを請求
できるようになります。
改正前には、遺留分減殺請求がなされると、遺贈の対象物である不動産など
について遺留分に相当する持分を遺留分権利者に移す手続きがとられてきました。
例えば、亡くなった父親が個人事業をしていた場合を考えてみましょう。
事業用の土地や建物を、事業を継いだ長男に相続させる父の遺言が
あったとしても、事業にかかわらない長女が遺留分減殺請求をすることにより、
この事業用不動産は長男と長女の共有となります。
この後、長男が事業のために融資を受けこの不動産を担保とするときや、
この不動産を売買するときなどには、毎回長女が共有者として関わることになります。
これでは、せっかく遺言を残しても、円滑な事業承継とは言えなくなってしまう事態になりかねません。
今回の改正のメリット
・遺留分侵害額を金銭債権として請求することにより、単独で所有することが好ましい遺産
について、単独所有を守ることができる。(単独で相続する内容の遺言が別途必要となります)
・特定の財産を特定の人に与えたいという遺言者の遺志を尊重することができる。