Aさんの親は高齢となり、最近判断力が低下してきました。
心配したAさんは、親の財産の管理などを支援しようと親と話し合ったところ、親が借金をしており、どこから借りたか、いくら借りたかも覚えがなく、返済もしていないということがわかりました。
本人がどこから借りたか、いくら借りたかを覚えていなくても、自己破産を申立てることはできるでしょうか。
高齢等で判断能力が不十分な方が、借金の返済が不能の場合、後見人等を選んだ上で、自己破産の申立をする方法があります。
(「親が借金の返済をしていないことが判明しました、私が代わりに自己破産を依頼できますか」を参照)
信用情報機関への照会により債権者や債権額を確認することが可能です。
カードの督促状がたくさん届いているが管理ができていない、本人はどこから借りていたか、いくら借りていたかも覚えていない場合、Aさんは家庭裁判所の審判を受けて、成年後見人等として信用情報機関へ照会することにより債権者や債権額を確認することが可能です。(Aさんが保佐人・補助人に選任された場合には、保佐開始・補助開始の審判に加えて、代理権付与の審判を受ける必要があります。)
金融機関・クレジット会社等は、与信管理等を行うために誰がどこでいくら借りているのか等の情報を共有しています。この情報を「信用情報」といい「信用情報」を取得することで、債権者や債権額を把握することができます。
具体的な手続き方法については以下のサイトを参照してください。
なお、小規模の町金融などは信用情報機関に加盟していない場合があります。個人からの借金は信用情報開示を受けても把握できません。
信用情報を取り寄せたうえで、親宛ての領収書、請求書が来ていないかなども確認し債権者や債権額の把握に努めましょう。
司法書士 永野昌秀