両親はすでに他界しており、結婚はしておらず、子供もいない。
兄弟もおらず、身近に親戚縁者もいない。
つまりは全く身寄りのない方の成年後見人を4年ほど前から
務めている。(正確には、いた。)
仮にAさんとする。
先月Aさんが亡くなった。
その際の気持ちや疑問や葛藤等を忘れないように綴っておきます。
成年後見人の職務は、主に財産管理、身上監護。
ただし、身上監護といっても、洗濯等身の回りの
世話をするわけではなく身の回りの世話をして
くれるヘルパーさんを手配したり
契約をしたりするのが仕事であーる。
Aさんは施設に入居して穏やかな生活を
送っていたが今年に入ってから体調が悪くなり、
検査したところ病気が見つかり、
緊急入院することになった。
家族や自分が入院したことがある方ならわかる
と思うが入院というのはとかく家族の協力が
必要となる場面であーる
すぐに前が開く衣服(浴衣)や
おむつなどの消耗品等
入院に必要な品物をそろえなくてはならない。
Aさんは家族がいないわけであるから、
成年後見人がやるしかない
洗濯物がどんどんたまっていく。
着る服がなくなる。
ちなみにAさんは経済的に厳しい人なので
無駄遣いができない。
人の手配が間に合わないので、
ヘルパーさんの手配ができるまでは
洗濯も結局成年後見人がやるしかない
主治医の先生より病状の説明を受ける。
医療同意を求められるも、成年後見人には
権限がないので(注)
同意書に署名はできないと伝える。
今後の治療方針、
手術はできないので、抗がん剤治療を行うのか
緩和ケアを行うのか。
胃ろうは?
酸素呼吸機は?
延命措置はどうするのか?
決めてもらわないとお医者さんも困るので、
結局成年後見人に回答を求めてくる・・・・。
つづく
(注)昨年成立した成年後見制度利用促進法では、
意思を決定することができない人が、医療や介護
サービスを受けることができるように、成年後見人
が支援する方法を検討することに
なっており、手術や延命治療などの医療に対する同意権を、
成年後見人に与えようという動きがあります。