Aさんは自己破産を検討していますが、自己破産後も今までのように携帯電話を使えるか心配しています。
1.原則、携帯電話を今まで通り使えます
携帯電話会社は月々の利用料金の滞納がない限り、自己破産を理由として携帯の利用停止をしたり、契約を解除することは通常ありません。
破産申立後も携帯電話の利用料金の支払いは、電気、ガス、水道などの公共料金と同じように、生活に必要な費用として認められます。(破産法第55条第1項)
(利用料金を滞納した場合には、電話回線が止められる可能性があります。)
2.利用料金に携帯端末の分割払い代金が含まれている場合
月々の利用料金に携帯端末の分割払いの代金が含まれている場合は、通話料金と端末代金を別々に支払うことはできないため、破産申立時に携帯会社を債権者として裁判所に届け出て、それ以降は支払いを止める必要があります。
携帯端末の分割払い代金は、クレジットカードなどで買い物をした場合や車のローンと同じ単なる返済にあたるため、月々の生活に必要な費用とは認められません。
Aさんが裁判所へ届出をしないで支払いを継続すれば、一部の債権者に偏った返済をしたとして免責許可決定に影響が出る可能性があるので注意が必要です。
支払が止まれば、料金の滞納となるため、Aさんが今使用している携帯は通常3か月程度で強制解約となり、利用ができなくなります。
破産手続きが終了し、免責許可決定が出ると、機種代金も含めた滞納料金の支払い義務は免除されます。
Aさんが生活や仕事の都合で、電話番号が変わると困る場合は、あらかじめ他の携帯電話会社と契約するなどの対応をして番号を守ることも検討する必要があります。
自己破産後も自分の携帯が使えるかどうか不安に思う方は、一度当事務所にご相談ください。
司法書士 永野昌秀