Aさんは自己破産を検討していますが、ローンを組んで家族として迎え入れた猫のことが気がかりです。自己破産をおこなうとペットはどのような扱いとされるのでしょうか?
結論としては、一般的に飼われているペット(例えば犬や猫)に影響が及ぶことは少ないと考えられます。
通常、破産手続きの際には換価処分(所有している財産を売却してお金に換えること)をおこないますが、市場価値が高くないペットはその対象外とされることが多いからです。
また、ローン契約でペットを購入された場合、所有権留保(返済が終わるまで所有者をローン会社にしておくこと)がなされることがありますが、その場合であってもローン会社が第3者にペットを売却することはほぼありません。
上記のように自己破産をおこなってもペットを手放さなければならない心配は少ないですが、ペットを飼われている方が破産手続きをおこなう際に注意すべきことがあります。
1 申立時にペットのことも正確に伝える
・ペットにかかる費用が高額であることが破産状態に至った原因であったとしても虚偽報告はNGです。ペットの維持費が生計を圧迫している場合、免責後の生活について裁判所から指導が入ることがありますが免責決定に影響することは少ないです。逆に虚偽記載をすることで、裁判所としては「反省していない」と判断して免責決定に影響することが考えられます。
そのため、自分にとって都合の悪いことであっても裁判所には正直に伝えるようにしまし
ょう。
2 持ち家は売却対象となることから、ペット入居可の住居を探す必要がある
・自己破産をおこなうと、持ち家は換価処分の対象となり売却されることとなります。
そのため、自己破産後に住む場所を探す必要がありますが、その際にはペット飼育可能なのか確認するようにしましょう。ペット飼育禁止条項が付されている物件でペット飼育をおこなった場合、貸主から契約解除されて直ちに退去しなければならなくなる場合もありますので注意が必要です。
廣川 祐司