みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。
もう11月。クリスマスケーキの予約のポスターを見かけると、もうそんな季節かと驚いてしまいます。
さて、前回までの私のブログでは、クーリング・オフについてご説明してきました。
ところで、みなさんは次のような経験がないでしょうか。
ネットショッピングで買った商品、ホームページでみたらすごく気に入ったのに、いざ届いてみたら思っていたのと違う・・・
こんなとき、クーリング・オフできるのでしょうか。
結論としては、クーリング・オフはできません。
クーリング・オフはどんな契約にも適用されるわけではなく、「特定商取引に関する法律」においてクーリング・オフの定めがある契約に対してのみすることができます。
そしてネットショッピングなどの通信販売は、クーリング・オフの対象とされていません。
その代わり、「法定返品権」という権利が認められています。
「法定返品権」とは、商品の引渡しを受けた日から8日間は、売買契約の申込みの撤回又は売買契約の解除をすることができる権利です(特定商取引に関する法律15条の3)。
しかし、「返品できるんだ!よかった~」と安心するのはまだ早いです。
この「法定返品権」、クーリング・オフと似た制度ではありますが、注意点があります。
まず、返品のために必要な費用は購入者が負担する必要があります。
(クーリング・オフでは販売業者が負担します。)
そしてもう一つ、返品等について、販売業者が決めた特約を広告に表示し、かつ、申込みの操作をする画面(最終申込み画面)にもその特約を表示している場合には、その特約が適用されます。
たとえば、そもそも返品不可とすることもできますし、返品するための条件(例:開封後は返品不可、商品到着後〇日以内のみ返品可、など)をつけることもできます。
通信販売を利用する際は、商品を吟味するのはもちろんのこと、返品についての特約の記載もしっかり確認するようにしましょう。
司法書士 岡村浅黄